SENNHEISER GSX1000 サウンドカードレビュー

SENNHEISER GSX1000の外観画像

はじめに

私が使用しているデバイスを紹介します。今回はサウンドカードのSENNHEISER GSX1000です。 購入日は年頃で、 現在約2,494日 使用しています。

ヘッドホンだと耳と頭が痛くて、イヤホンで7.1サラウンドを使いたい、ゲームとボイスチャットの出力を分けたいという2つの理由で購入しました。 購入前までは、イヤホンだと足音が聞こえないので我慢してヘッドホンを使っていました。

特徴

※GSX1000は生産終了しており、2nd Editionが出ているそうです。

イーポス公式サイトより引用:
「GSX 1000 2nd Editionは、EPOSの7.1サラウンドサウンドエンジンと最新のDACチップセットを搭載し、
ゲーム内の音の定位と明瞭さを強化。タップ操作と直感的なホイールで瞬時に音量調整やモード切替が可能です。」
出典:EPOS 公式サイト

7.1サラウンドは、本来7つのスピーカー+1つのサブウーファーで再生する音場を、イヤホン/ヘッドホンでも前後・左右・上下の方向感と距離感を知覚しやすくするための仮想化技術です。

DACチップセットは、PCから送られてくるデジタル信号を、人間の耳が聴けるアナログ電気信号へ変換する部品です。 PCのマザーボード音源に依存せず、一定の品質でイヤホン/ヘッドホンを駆動できます。 結果として、微小音の聞き取りや左右のバランス、ボイスチャットの明瞭さといった土台が整い、サラウンド処理やイコライザーのチューニング効果も安定して反映されます。

使用感

操作はとにかく簡単です。 タッチパネルを軽く触れる、リングを回すだけで設定ができます。 音量はリングで直感的に、サラウンド・リバーブなどはアイコンをタッチして切り替えできます。 難しかったり、わかりにくい操作はありません。

プロファイル切り替えも4つ角をワンタッチです。 4つのスロットにゲーム用/音楽用などプリセットを入れておけば、触れるだけで瞬時に切り替わります。

設定項目がイラストで意味が分かりにくい部分があります。 なんの設定か調べないとわからないものがありました。 一度自分なりの設定を作ってしまえば、以後はタッチだけで運用できます。

バーチャル7.1サラウンドに対応しているのが良いです。 7.1機能のないイヤホンでも擬似的に前後・左右の広がりを作れます。 足音やスキル音の方向が取りやすくなり、ゲームだけでなく映画の臨場感アップにも使えます。 音楽でも立体音響風に広がりを加えられるので良かったです。

PC音とDiscordなどのボイスチャット音を別々で出力できることが便利です。 ゲーム音はそのまま配信・録画に乗せつつ、ボイスチャット音だけをミュートすることが簡単にできます。

良かった点

一番の利点は、7.1サラウンドをどのイヤホンでも使えるようになることです。 ゲーミングヘッドホンに縛られず、自分が好きなイヤホンでFPSの足音を聞き取りやすくできます。 耳や頭への負担を増やしてまで足音を聞く必要がなくなりました。 ここが最も良かった点です。

7.1サラウンドは前後・左右の定位を擬似的に作り、イヤホンの軽さ・装着感はそのまま、ゲームで必要な方向の情報だけを足せます。 イヤホン派でも、イコライザ設定と合わせることで足音にが聞こえるようになりました。

PC音とボイスチャット音を別々の出力に分けられるのも実用的です。 サウンドカードなしでやると面倒なことがなにもせずにできます。 配信や録画ソフトでボイスチャットの出力をなくすだけでよいです。

操作はタッチとダイヤルで直感的です。プロファイル切り替えは触れるだけでできます。 難しい手順はありませんでした。

音楽でも使えます。 専用の高級ヘッドホンには敵いませんが、普通のイヤホンでは出しにくい立体音響風にして聞くことができます。

接続はPC → GSX1000 → イヤホンというシンプルな構成のため、PCのイヤホンジャックを使って、イヤホンのケーブルが短くて使えないといった問題も起こりません。 イヤホンの長さに余裕がでるので、どんな環境でも快適に使えると思います。

悪かった点

イコライザーはFPS/音楽/映画/通常の4種類しか選べず、細かな数値をいじって設定することができません。 とくにFPSプリセットは足音が全く聞こえなくて、実用的ではありませんでした。 別のソフトであるEqualizerAPOでイコライザを設定して使っています。

まれにPC側の音量表示と、GSX1000本体の音量表示がズレることがありました。 再起動、またはいったん0まで下げて同じ数値に戻すと同期します。 実際の出音はPC側の音量となるため、見た目以外の実害はありませんが気になるので普通に嫌でした。

設定項目がイラストだけでは意味が分かりにくいものがありました。 各項目、調べてから設定して使う必要がありました。

ゲーム起動に応じて自動でプロファイルを切り替える機能はありません。 ワンタッチで手動切替はできますが、イヤホンのケーブルが触れて意図せずプロファイルが切り替わったことがありました。

ゲームでの使用シーン

足音が重要なFPSでは、7.1サラウンドとEqualizerAPOの併用が有効でした。 APEXのように足音が全く聞こえないタイトルでも、足音が聞こえるようになります。 味方が聞こえていない足音まで聞こえる場面が多くありました。

イコライザは別ソフト設定しているため、ゲームごとにGSX1000側のプロファイルを切り替える必要はありませんでした。

配信・録画でも利点があります。 PC音とボイスチャット音を別出力になるため、仮想デバイスを挟まずにVCだけミュート、ゲーム音はそのままが可能です。 仮想の出力を使うのとは違い、余計な経路を通さないので音質を変えずに分けて配信・録画ができます。

また、ゲーミングヘッドホンを使わなくても、自分の好みのイヤホンで足音を聞こえるようにできます。 装着感や重さを犠牲にせず、7.1の広がりと定位だけを足せるので、長時間のプレイでも快適でした。 イヤホン派にとっては軽さと方向の情報を両立できるのが大きなメリットです。

GSX1000はゲーム用途で強くおすすめできるデバイスです。 7.1サラウンドでの定位強化、外部イコライザとの相性、配信時の音声分離の手軽さが揃っています。

ゲーム以外での使用シーン

ゲーム以外での利点は、音楽向けのプリセットを用意できることと、ヘッドホンを使わなくてもイヤホンで満足できる音作りがしやすい点です。 軽い装着感のまま立体音響を楽しめて、長時間でも耳や頭が疲れにくいです。

ただし、音そのものを徹底的にこだわりたい人には向きません。 当たり前ですが、高い音楽用のヘッドホンなどには勝てません。 そこまでのこだわりがない人には、コストパフォーマンスが高い選択肢になると思います。

設定方法

設定用のアプリは必要なく、本体を操作して行います。 右上がイコライザ、右がサラウンド強調、右下がチャンネル、左下がサイドトーン、左がリバーブ、左上がヘッドホン・スピーカー切り替えです。 イコライザは、通常・FPS・音楽・映画の4種類あります。 サラウンド強調は、通常・前強調・後強調があります。 チャンネルは、2.0と7.1があります。 サイドトーンは、自分が話した声を返す機能で3段階で設定できます。 リバーブは、残響音を3段階で設定できます。 リングを回すことで音量を変更できます。

7.1サラウンドにするには、スピーカーのプロパティで16ビット、48000Hz(DVDの音質)にし、スピーカーの設定で7.1サラウンドを選択する必要があります。 これは必ずやる必要があります。

設定紹介

SENNHEISER GSX1000とEarPods with 3.5mm Headphone PlugとEqualizerAPOを合わせることでAPEXの足音が聞こえるようになります。
・チャンネル: 7.1ch
(スピーカーのプロパティで16ビット、48000Hz(DVDの音質)にし、スピーカーの設定で7.1サラウンドを選択する必要あり)
・イコライザ: ノーマル
・サラウンド強調: デフォルト
・サイドトーン: デフォルト
・リバーブ: デフォルト

設定方法はこちら

音楽再生用
・チャンネル: 7.1ch
・イコライザ: ♪
・サラウンド強調: デフォルト
・サイドトーン: デフォルト
・リバーブ: +++

まとめ

SENNHEISER GSX1000は、イヤホンで使える7.1サラウンドとPC音/ボイスチャット音の分離ができるのが特徴です。 重いヘッドホンに頼らず、好みのイヤホンで足音の方向と距離感をつかみやすくなり、配信・録画ではVCだけをミュート可能です。 プロファイルも4枠を触れるだけで即切替でき、ゲーム/音楽といった場面ごとに使い分けられます。

イコライザは4種類のプリセットのみで数値を自由に変えることはできません。 FPSプリセットは足音が聞こえずに、EqualizerAPO等の外部ソフトで調整する必要がありました。 UIはアイコンだけで意味がわからない項目があり、たまにPC側と本体の音量表示がズレる点も気になります。

セットアップではスピーカー設定で、16ビット・48000Hz(DVDの音質)にし、7.1サラウンドを選択することが必須です。 なお、本機は生産終了で、現行はGSX 1000 2nd Editionが後継にあたります。

GSX 1000 2nd Edition

GSX 1000 2nd Edition

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